マインドフルネス、ACT
(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)

マインドフルネス、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)

あるがままの自己を受け入れる平穏
変えられるものを変えていく勇気
新世代の認知行動療法を支える古の叡智

あるがままの自己を受け入れる平穏
変えられるものを変えていく勇気
新世代の認知行動療法を支える古の叡智

God, grant me the serenity to accept the things I cannot change
The courage to change the things I can
And the wisdom to know the difference

(神様、私にお与えください 自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを
変えられるものは変えていく勇気を そしてふたつのものを見分ける賢さを)

平静の祈り/Reinhold Niebuhr

現実の課題のみならず、自らの心身の状態に対しても目を向ける余裕を失ったまま、日々のプレッシャーと向き合いながら生きる。そうした状況のなかでも、自然に立ち止まり、今この瞬間に目を向け、心の平穏を得られるように手助けしてくれるスキルとして、マインドフルネスが注目されています。

マインドフルネスとは、仏教でいう「念(サティ)」の英訳で、「今ここ」だけに意識が向いている心の在り方を意味します。日々の体験に対して、ある特定の方法によって注意を向けることで現れてくる気づきの状態であり、その特定の方法とは、以下の要素を備えたものとされています。

  • 意図的に (体験していることに注意を向けている)
  • 今この瞬間に (放っておくと過去や未来をさまよってしまう注意を戻す)
  • 評価をせずに (心の中に湧き上がることをただ受け止める)

そして、瞑想(マインドフルネス瞑想)は、その様々な方法のなかでも最も代表的なものとなっています。

マインドフルネス瞑想のベースにあるのは、ヴィッパーサナ瞑想と呼ばれる仏教由来の伝統的な瞑想法です。ベトナムの禅僧の弟子であったアメリカの大学の医学部教授が、「ストレス逓減法」のコア・スキルとして、宗教的な要素を排除しながら普及させたことから始まり、今では様々な技法にそのエッセンスが取り入れられて世界的に広がっています。

マインドフルネスは、医療領域の研究でうつ病の再発予防や慢性疼痛のストレス軽減などに効果があることが実証されているだけでなく、最近の神経科学の研究によって、健常者のストレス解消や脳の機能改善にも有効性が認められてきています。『心がリセットされて、生産性もアップする』 そうした効果への期待から、先進的な企業の福利厚生や研修プログラムにも広く採用されるようになっています。

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)やMBCT(マインドフルネス認知療法)といった、マインドフルネスをベースにおく心理療法(MBT)においては、クライエントが自身の現時点の思考と感情に十分に(全身体的に)気付き、それを受け入れた状態になること(Acceptance)をサポートします。そして、その「マインドフルネス」と「アクセプタンス」のプロセスをベースにして、クライエントがより広い文脈において望ましい生き方を実現できるように、人生への関わり方の変容を促していきます。

せわしく動き回る思考。頑固にこびり付いて放さない思考。そうした思考に翻弄される人生から「内なる平穏」を取り戻し、より柔軟性があり創造的な人生を生きるための叡智として、これらのアプローチが今後も様々な分野に更に広がっていくことが期待されています。

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